これは、有料ライブ配信レクチャーをDVD化したもので、「キングオブマジック」の「At The Table Live Lecture」キャンペーンにて4320円で購入しました(と言っても、3年半以上も前の事で、現在コレを含め同シリーズのDVDがなんと66レクチャー分も購入したままほったらかしになっています)。
 ちなみに、この第12巻は Spidey,Eric Leclerc,Titanas,Peter Eggink,Tom Wright,Bobby Motta の6人によるレクチャーを6枚組のDVDに収めたものですが、量がかなり多いので3レクチャーずつ2回に分けて紹介する事にします。

 さて、今回は前半の3レクチャーの紹介ですが・・・3人ともほとんど知らなかったので、大して期待はしていなかったのですが、実際もそんな感じで、このシリーズのレベルで考えるとハッキリと低調でした(値段を考えれば、及第点ではありますが・・・)。では、気になった作品を紹介していきましょう。

Spidey ★★☆

 氏の名前をショップで検索するといくつかヒットしますが、印象に残っているものはなく、正直言ってこのレクチャーもあまり期待してなかったのですが、どうだったかと言うと・・・思っていたよりはマシでしたが、予想を覆すところまではいかなかったでしょうか(ま、値段を考えれば元は取れましたが・・・)。

「POLAROID」 封筒に入っていたブランクフェイスカードが客のサイン入りカードに変化します。ま、普通ですが、デックはレギュラーなのでいつでもできるのが良い。あと、ブランクフェイスデックが一瞬でレギュラーデックになり、1枚だけブランクのまま残っていたカードが客の指定したカードに変化するというバリエーションも解説しています。
「SQUANCHO」 Xカードの裏にスティックマン(簡略化した人の絵)を描くと、そのカードが客のカードに変化します。で、そのカードを持っている手で拍手していると(つまり、スティックマンを何回も叩く事になります)、スティックマンが悲惨な姿になっているというコミカルなオチのマジック。オチは少しだけ面白かった。
「GAMBIT (CTW)」 デックから10枚のカードを抜き出し、その中に客のカードが入っている事を確認してもらったら、表裏バラバラにして混ぜます。で、表向きになっている5枚のカードを示し、さらにパケット全体をひっくり返して表向きになっている5枚のカードを示した後(つまり、全てのカードを示した事になります)、客のカードが消え、財布から出てきます。
 たしかにあった客のカードが怪しい動作をせずに消すところは、とても参考になりました。
「CONNEXION」 ダブルブランクデックの中の1枚に何か書いてもらい、そのカードをデックの中に入れ、上にも下にもない事を示し、その状態で何を書いたか当ててしまいます。さらに、客がストップをかけたところからそのカードが出てきます。まずまず。

などなど。

参考動画




Eric Leclerc ★★☆

 ほとんど聞かない名前ですが、「カナダのマジシャン・オブ・ザ・イヤー」に選出された事もあるようなので、そこそこ期待して観ました。
 で、どうだったかと言うと・・・かなりの場数を踏んだプロだという事がその演技から伝わってきたので、私の期待値はさらに上がったのですが、この人とMCがしゃべりまくるので、英語が苦手な私には退屈な時間が続き、正直あまり楽しめなかったでしょうか(ま、それでも参考になった事はありましたし、値段を考えれば及第点には達していますが・・・)。

「VARIOUS ROUTINES」 タイトル通り色々な現象が詰め込まれたカードマジックの手順。テーブルなしで客も演者も立った状態で演じています。
「WATER FROM HANDS」 空の手から水が出ます。手軽に演じられるなら話は別ですが、準備面を考えるとなかなか大変なので、ちょっと演じようとは思えないでしょうか。
「P&R RUBIK'S CUBE」 ルービックキューブのシールを1枚だけはがし、火をつけてキューブに投げつけると、また元に戻っています。ま、悪くはないですが、コレよりも「!Warning」の方が優れていると思います。
「BRAZEN DOUBLE LIFT GET READY」 ダブルリフトのゲットレディについて。参考になりました。
「LOADING CARDS ONTO A SPECTATOR」 客のポケットにカードをロードする方法。これも参考になりました。

などなど。

参考動画




Titanas ★★★

 比較的よく見かける名ですが、そのほとんどは「メーカー」としてのもので、個人としてはそれほど多くはないようです。ちょっと調べたところでは、このブログでも紹介した「ORACLE」が一番有名でしょうか?
 で、このレクチャーはと言うと・・・個人的な事情により不満は多かったですが、それでもこの値段なら及第点ですし、一般的な評価はもう少し高いかもしれません!?

「MORGAN FREEMAN」 俳優のモーガン・フリーマンから電話がかかってきて、客のカードを当ててしまいます。面白いが、解説はありません。
「PHONE UNLOCK」 スマホのロックを直接手を触れずに解除してしまいます。その他にもスマホを利用するマジックを解説していますが、私は未だガラケーを使っているので・・・。
「BALLSY」 客にデックを両手で挟んでもらいますが、客のカードが飛び出てきます。客のカードが本当にデックから出てきているように見えるのかはチョット怪しいですが、なかなか面白い。
「ORACLE AND VARIATIONS」 氏の売りネタ「ORACLE」の解説。「ORACLE」を買った日付けを確認すると、このDVDを買った後だったので、一気にテンションが下がりました。セコイ話になりますが、700円損した気分です(逆に言えば、それを買っていないなら、この解説だけで元以上の価値があります)。
「THE SOURCE」 1人目の客が指定したカードが2人目の客が言った数字の枚数目から出てきます。シンプルなトリックですが、騙されました。ナイスミスディレクション!
「IDENTITY THIEF」 客の写真をスマートフォンで撮影し、それを見る事で、客のクレジットカードナンバーを言い当て、さらには客と人差し指を合わせる事により客のスマホの指紋認証ロックを解除してしまいます。当然ながら私のガラケーではできません(泣)。
「ANNIVERSARY TANGO」 2人の客のカードが表面同士でくっついて、ダブルバックカードになってしまいますが、それを剥がして2枚のカードに戻してしまいます。いわゆる「アニバーサリーワルツ」の変形ですが、くっついたまんまのカードをプレゼントする普通の「アニバーサリーワルツ」の方が優れていると思います。
「THE GUM TRICK」 板ガムの復活。演技を見て判断するならイマイチですが、アイデアは悪くないでしょうか。
「COIN SEAL」 コインがビニール袋の中に貫通します。これもアイデアは悪くないが、もう少し・・・。

などなど。

参考動画